中野区の災害リスクとは?洪水・地盤関連のハザードマップなどを解説

2024年01月21日

中野区・南台エリアほか

中野駅前

中野区のハザードマップ|災害の種類・リスクの高い場所などを確認

中野区は東京23区内の西に位置し、新宿区、渋谷区、練馬区、杉並区と隣接しているエリアです。都心へのアクセスが良いこともあり、20歳代、30歳代の人口が23区平均よりも多く、若い世代に人気の街といえます。 世帯総数が約21万人(2023年1月1日時点)と、23区内でも比較的人口密度が高いことも中野区の特徴です。住宅が密集していることから、地震が発生したには火災に注意しましょう。 中野区では、水害および土砂災害のハザードマップをまとめた冊子を発行・公開しています。発行されている冊子には、ハザードマップだけではなく想定される被害や、防災情報が集約されています。4言語に対応した外国語版も発行・公開されているので、自分の必要な情報を事前に目を通しておきましょう。

水害ハザードマップ 索引図

水害ハザードマップ 索引図

洪水・地盤など|ハザードマップから想定できる中野区の災害リスク

公開されているハザードマップなどの情報から、水害、地震、その他災害についてそれぞれのリスクを解説します。

中野区の災害の特徴①洪水について

中野区では区内を流れる河川の氾濫などにより、過去には浸水被害が発生しております。近年は、河川の改修工事や神田川・環状七号地下調整池の整備によって被害は軽減しています。 しかし、台風や集中豪雨などにより、排水処理能力を超えた大雨が発生した際には、下水道があふれることによる土地や道路への浸水といった「内水氾濫」が起こりえます。 そのような場合に備え、居住地域の水害リスクを中野区が公開している水害ハザードマップを必ず確認しておくようにしましょう。

中野区の災害の特徴②地盤・地震について

中野区は、都内の中でも比較的強固な地盤である「武蔵野台地」の中央に位置するエリアです。台地の中を流れる5つの川によって区切られた、5つの小台地(沼袋、野方、中野、幡ケ谷、落合)で形成されています。 東京都都市整備局の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、川の周囲は「谷底低地」と呼ばれる低地で、土砂が再堆積した土や腐植土などでできた軟弱な地盤になっています。 また、中野区では住宅が密集している地域が多いため、地震が発生した際には火災の発生に特に注意が必要です。延焼による火災の広がりが起こることも想定し、地盤の強さだけではなく、地域危険度一覧から各種リスクを確認し、総合的な危険度を把握することが重要です。

中野区の災害の特徴③その他

中野区は、津波災害警戒区域の指定を受けていないため、津波ハザードマップは作成されていません。 また、高潮浸水想定区域もないので、高潮のハザードマップも作成されていません。 土砂災害については、区内21か所に土砂災害警戒区域、うち10か所に土砂災害特別警戒区域を指定しています。台風や集中豪雨などの大雨により、がけ崩れの危険があるため、該当エリアに住む場合はハザードマップを確認したうえで、事前に指定避難所の場所などを確認しておくと安心です。

中野区の防災マップ|避難場所・災害リスクの低い場所を確認

中野区では、水害時の避難所と震災時の避難所は指定場所が一部異なっています。 水害発生時、居住地域に洪水の可能性がある場合、避難指示が出ていなくても自主的に避難ができる場所が「一時避難所」、避難指示が出ている際に利用するのが「避難所」に指定されています。 震災発生時の防災活動拠点になる「避難所」は、自宅での生活が困難になった場合に利用することになります。火災の拡大により身の危険がある場合は「広域避難場所」への一時的な避難が必要です。 中野区防災サイトでは、水害、震災、それぞれの避難所を確認することができます。災害が発生した際には、災害に応じた避難所を利用しましょう。 また、中野区では、防災情報をまとめた「中野区防災ハンドブック」を作成、公開しています。防災への事前の備え方だけではなく、災害発生時の行動フローや中野区が行っている防災活動についてもまとめられているので、いつでも手に取れる場所に用意しておきましょう。

避難標識

※画像はあくまでイメージです

中野区の災害対策・防災情報

中野区が行っている防災活動や、災害対策について紹介します。

災害・防災情報①洪水・風水害

洪水などの水害への事前の備えや心がけについての情報をまとめたページが、中野区のWEBサイト内で公開されています。 気象情報や河川情報の入手先や、避難所の開設情報など災害時に必要なページへのリンク集にもなっています。いつでもアクセスできるように、WEBブラウザにブックマークをしておくと便利です。 ほかにも水害対策として、水防用の土のうの配布を行っています。いざというときに慌てないためにも、事前に配布場所を確認しておきましょう。

災害・防災情報②地震・津波

中野区は地震発生時に地域の人どうしが助け合う「共助」を大切にしており、町会や自治会などをベースにした地域住民で構成される「防災会(地域防災住民組織)」が110以上結成されています。地域の防災力向上を目的としており、平常時は防災訓練の実施、災害時は救出・救護活動などを行う自主防災組織です。 防災会のほか、中野区独自の防災対策に「中野区防災リーダー」事業があります。地域の防災会の中で指導を行うリーダーを育成するために「中野区防災リーダー養成講座」や「中野区防災リーダーフォローアップ講座」を実施しています。 また中野区では、さまざまな防災訓練が行われています。年に二回行われる「中野区総合防災訓練」は、消防署などと地域住民が一体となって行う規模の大きな訓練です。 防災体験デーには起震車を使った震度体験の他、消火訓練などを行っています。一度、居住地の防災訓練に参加してみてはいかがでしょうか。

災害・防災情報③その他

中野区には複数の大学のキャンパスがあり、JR中野駅をはじめ12の駅があることから、災害時に5万6000人以上が帰宅困難者になると想定されています。 そのため、帰宅困難者の発生で駅周辺や集客施設が混乱しないように、一時滞在施設の確保などを定めた「中野区災害時帰宅困難者対策行動計画」が策定されています。

中野区で個人ができる災害対策・防災への取り組み

中野区に住んでいる人が個人単位で行える、災害対策や防災活動について紹介します。

災害対策①発生前の備え・情報収集

水害や地震発生時の防災グッズ等の準備のほかに、中野区では地震が発生した際にリスクが高いとされている火災への備えも重要です。 地震により火災が発生した場合は、「火災が小さいうちに初期消火を行う」「感震ブレーカーを設置して地震のあとに発生する通電火災に備える」など、事前の取り組みや心がけが必要になります。 中野区では、消火器や住宅用火災警報器の購入・取付けあっせんを安価で行っています。ほかにも、家具の転倒防止器具などの地震対策用品や、感震ブレーカーなどの地震・火災対策用品などの防災用品のあっせんも行っているので、必要なものがあれば利用すると便利です。 防災情報を分かりやすく伝えるため、中野区では防災情報の動画配信をしています。このほか、メール、各種SNSなど以下の媒体で防災情報を発信しています。事前の登録が安心です。

災害対策②地域活動・セミナーなどへの参加

中野区では、防災会などの主催で地域や団体の単位の防災訓練や、避難所開設訓練も行われています。積極的に参加をして、地域の人と顔見知りになるなど日頃から繋がりをつくっておくことが大切です。

中野区の災害情報を把握して、適切な備え・防災対策をしましょう

中野区は武蔵野台地の中心に位置する、ほとんどの地域が強い地盤を持つエリアです。しかし、人口密度が高く、震災の際は火災延焼などにより地震の総合危険度が高いとされるエリアもあります。地域の防災会活動にも積極的に参加し、防災に対する意識を高めるようにしましょう。 KAUnSELLでは、中野区に含まれるエリアの災害リスク情報をご用意しております。 下記リンクからご確認ください。

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