杉並区の災害リスクとは?洪水・地盤関連のハザードマップなどを解説

2024年01月16日

杉並区・方南町エリアほか

杉並区立済美公園周辺

杉並区のハザードマップ|災害の種類・リスクの高い場所などを確認

ハザードマップとは、地震や大雨といった自然災害が原因で起こると予測される被害の発生場所や、被害レベルを記した地図のことです。杉並区のハザードマップは、区の公式Webサイトで公開されています。 ・わが家の水害ハザードマップ ・土砂災害ハザードマップ ハザードマップを見ると、浸水や土砂災害の危険性が高いエリアがひと目で分かります。災害に備える第一歩としてハザードマップをチェックし、自分が住んでいる場所や住みたい場所にどのようなリスクがあるのかを知っておきましょう。

水害ハザードマップ

水害ハザードマップ

洪水・地盤など|ハザードマップから想定できる杉並区の災害リスク

杉並区では、大雨が降った際に川が増水することで浸水が発生するおそれがあります。また、土砂災害警戒区域に指定されているエリアもあるため、がけ崩れにも注意が必要です。被害を避けるためにも、ハザードマップを見て災害のリスクを知っておきましょう。 ハザードマップで危険性の高いエリアを把握したら、その次は実際に災害が起こったときにどうするかを考えることが大切です。具体的な災害対策については、のちほど「杉並区の災害対策・防災情報」の項目で解説します。

杉並区の災害の特徴①洪水について

杉並区で浸水が発生すると想定されるエリアは、主に川の周辺です。妙正寺川、善福寺川、神田川という3つの川が流れる杉並区は、古くから川の氾濫による水害にたびたび見舞われています。2005年の集中豪雨では、床上浸水が1,201件、床下浸水が669件という大規模な被害が発生しました。水害のリスクは、23区のなかでもそれなりに高いといえるでしょう。 杉並区内の川はいずれも川幅がそれほど広くありません。なおかつ川のすぐそばには住宅地があり、大雨が降ると一気に水量が増え、すぐに住宅まであふれてしまいます。大雨や台風のときは、特に注意が必要です。

杉並区の災害の特徴②地盤・地震について

東京都の西部に位置する杉並区は、武蔵野台地の上にあります。武蔵野台地は形成された年代が古く安定しているため、地震が起きたとしても揺れが増幅されにくいのが特徴です。 その一方で、2022年9月に公表された「地震に関する地域危険度測定調査」によると、総合危険度が5段階で4のエリアが点在しています。この総合危険度とは、「建物倒壊危険度」と「火災危険度」に災害時の活動のしやすさを加味したものです。杉並区は特に火災危険度が高めのエリアが多いため、地震後の火災にも注意しましょう。

杉並区の災害の特徴③その他

杉並区には「土砂災害警戒区域」が7か所あり、そのうちの6か所は「土砂災害特別警戒区域」に指定されています。該当するエリアでは、大雨が降るとがけ崩れが起こる可能性があるため、確認しておきましょう。 がけ崩れに巻き込まれると命の危険があるのはもちろんのこと、建物が押しつぶされたり、通行に支障が出たりと、広い範囲での被害が発生します。非常時に慌てないよう、安全な避難ルートや避難場所を確認しておくことが大切です。

杉並区の防災マップ|避難場所・災害リスクの低い場所を確認

杉並区の防災マップは、ハザードマップと同じく区の公式Webサイトで閲覧できます。 防災マップで確認できることは、震災救援所や広域避難場所、緊急医療救護所、給水拠点など、非常時に利用する可能性が高い施設です。 また、杉並区では、地震と水害とで避難場所が異なります。地震で避難が必要になった際は、区内に65か所ある震災救援所へ向かいましょう。浸水などの水害時には、20か所の避難所が順番に開設されることになっています。

杉並区水防用土嚢置き場

杉並区水防用土のう置き場

杉並区の災害対策・防災情報

自然災害が起きたときは、なるべく被害を最小限に抑えられるよう、日頃から備えることが大切です。そのためには地域で起こりやすい災害や防災について知り、災害発生時に慌てないように準備をしておきましょう。杉並区の防災に関する情報をご紹介します。

災害・防災情報①洪水・風水害

杉並区では、水害対策として土のうを無料で借りられます。区内にある土のうストッカーから持ち出して、水の侵入を防ぎましょう。ただし川の増水が始まってからでは危険が伴ううえ、設置が間に合わない可能性もあります。浸水を防ぐには、できる限り早めの準備を心がけることが大切です。土のうを自宅にストックしておきたいときは、雨期を迎える前に杉並土木事務所に連絡し、事前に配布してもらいましょう。このほか、防水板設置工事や雨水タンク設置、雨水浸透施設設置といった水害対策工事への助成制度もあります。

災害・防災情報②地震・津波

地震の危険度が高めの杉並区では、総合震災訓練をはじめ、地震の被害を想定した訓練が行われています。初期消火訓練や給水訓練、マンホールトイレ設置訓練、防災クイズなどのイベントを通して、防災への意識を高めましょう。 地震の危険度が高めの杉並区では、地震対策も重視されています。地震によって起こる火災を防ぐのに有効なのが、揺れを感知すると自動的にブレーカーを落とす「簡易型感震ブレーカー」の設置です。杉並区には、簡易型感震ブレーカー設置を助成する制度があります。

災害・防災情報③その他

杉並区には土砂災害警戒区域があるため、大雨の際はがけ崩れにも気をつけましょう。がけ崩れの被害にあわないようにするには、雨天時に危険な場所に近寄らないことや、予兆があった際にすみやかに避難することが大切です。

杉並区で個人ができる災害対策・防災への取り組み

自然災害はいつどこで発生するか分からないものです。行政による支援のみに頼っていては不十分なことも多いため、個人でも備えをしておきましょう。日頃から心がけておきたい災害対策について解説します。

災害対策①発生前の備え・情報収集

自然災害から身を守るにはまず、普段暮らしている自宅の危険度を知ることが大切です。ハザードマップと防災マップをチェックし、地震や大雨で自宅にどんな被害が出そうなのかを想定しつつ、緊急時の避難場所を確認しておきましょう。 実際に災害が発生したときは、正確かつ迅速な情報収集が欠かせません。いざというときに慌てないためにも、防災・防犯情報メール配信サービス、杉並区(地震・水防情報等)公式X(旧Twitter)など、情報を得られるサービスを確認しておくようにします。自宅が浸水する可能性があるエリアでは、土のうの備蓄や止水板の設置などを検討するとよいでしょう。

災害対策②地域活動・セミナーなどへの参加

大雨による水害が多い杉並区では、水害の知識を学び緊急時に備えるための「水害出前講座」を実施しています。地域やグループ単位で申し込むことが可能で、周囲の人と一緒に参加できるため、水害対策について考えるきっかけになるでしょう。また、避難や救助の拠点となる小中学校での震災救援所訓練も行われています。

杉並区の災害情報を把握して、適切な備え・防災対策をしましょう

3つの川が流れる杉並区では、大雨が降ると川が増水し、たびたび水害が起こっています。気候変動により短時間のうちに猛烈な雨が降ることが増えている以上、大雨対策は必須だといえます。まずはハザードマップや防災マップで地域の特徴や危険度を把握し、自然災害への対策を考えましょう。 KAUnSELLでは、杉並区に含まれるエリアの災害リスク情報をご用意しております。 下記リンクからご確認ください。

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